ラグビー王国の名コーチたち―vol2. ウェイン・スミス | ラグビージャパン365

ラグビー王国の名コーチたち―vol2. ウェイン・スミス

2020/04/18

文●宮浦成敏 構成●大友信彦


世界のラグビーがストップしてしまっている中、この4月にスタートしたRUGBYJAPAN365プレミアムページの新企画、日本きってのNZラグビー通・ワイカトラグビー協会デベロップメントオフィサーサポート(育成部門スタッフ)で福岡工大監督の宮浦成敏さんによる『ラグビー王国の名コーチたち』。第1回のジェイミー・ジョセフさんの記事はおかげさまでたくさんの方にご購読いただきました。連載第2回は、監督(ヘッドコーチ)、アシスタントコーチ、セレクター、アドバイザーなど様々な肩書きでオールブラックスを支え続け、昨シーズン(2018年度)は神戸製鋼をトップリーグで15年ぶりの優勝に導いた名将ウェイン・スミスさんの横顔を語っていただきました。

第1回:ジェイミー・ジョセフ


ウェインさんとの出会いは1990年、私が日大を卒業して、クライストチャーチにラグビー留学したときでした。その頃、ウェインさんはまだ現役を引退したばかりで、クライストチャーチのベルファーストというクラブでコーチをしていました。当時はクライストチャーチに、日本企業のワールドの社員旅行などに使われる予定の研修施設がほぼ完成間近のところでした。そこにラグビー留学に来られていたワールドのラグビー部の選手たち、東田哲也さんとか松尾勝博さんとかが滞在していて、私もよくそこへお邪魔させて頂いていました。そこへ、私が所属するチーム(カンタベリーユニバーシティクラブ)のコーチだったローリ・オライリーさんから、日本から来客があるのでお世話、帯同して頂きたいとの依頼を受けてから、カンタベリーのラグビー関係者が集まる場所へ出席する機会が多々あって、ウェインさんともそこで出会うこととなりました。それをきっかけに時々交流させて頂いた思い出があります。


2018年、神戸製鋼を18季ぶりの優勝に導いた

2018年、神戸製鋼を18季ぶりの優勝に導いた

その頃は私も大学卒業直後で若かったし、ウェインさんもコーチになりたてだったと思いますが、セブンズのコーチングもやられていて、印象に残っているのは常に自分で実技をやってみせていたことです。やっぱり、実際にみせることで説得力が増しますからね。

よく言葉をかわすようになったのは、私が2006年にワイカト協会で働き始めてしばらく経ってからのことでしたが、ある日再会する時がきて、「クライストチャーチで会ったことを覚えていますか?」「どうしてワイカトにいるんですか?」「いや、私はもともとワイカトなんだよ」そんな会話をかわしたのを覚えています。ワイカトはニュージーランド北島の真ん中のエリアで、その真ん中にタウポ湖という大きな湖があるのですが、ウェインはその湖畔にあるプタルルという町の出身だったんですね。ウェインさんはカンタベリー代表からオールブラックスになったというイメージが強かったので、ちょっと意外でした。



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